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イランイランの製造方法と各種グレード
イランイランの名前のご説明と、製造法方法やそれぞれの成分比率など(共通となります)
水蒸気蒸留により得られたイランイランオイルは流出順序により4つに区分されます。最初採油されるオイルをエクストラ(extra)と呼び次いでT→U→Vと名前が付けられます。

エクストラはエーテル類やフェノール類を多く含み、比重及びエステル価が高く、旋光度と屈折率は低いのが特徴で、強い甘い芳香が強く、香料的価値は最も高いとされています。Vはエクストラとは逆で、セスキテルペン類などが多くなります。

つまり水蒸気蒸留法はまず最初に最も軽く繊細な芳香族分子が放出され、次に蒸留プロセス全体を通じて大きくて重い芳香族分子が放出されます

各留分を区分しないタイプがあり、これをコンプリート(complete)と呼びます。(エクストラからVまでをすべてを含んだオイルとなります)

イランイランの需要を考えると、エクストラとVの2つの需要が非常に高いため、コモロ諸島などの製造元では現在ではほとんどの製造所ではエクストラとVのみが作られ、TやUなどはオーダーに応じてエクストラとその他をブレンドして作られます。


特にVはセスキテルペン類を目的として購入される事が多いですが、たとえVであっても芳香としてのバランス、消費者の好みなども考慮され、下記にあるような蒸留時間は参考にされず、必要に応じてエクストラをVに加えたりなど調整されて作られるVもあります。

※一部大手では昔ながらの16時間を通してエクストラからVまでを製造する方法は取らず、独自の蒸留時間、独自ブレンドにて独自のT、U、V、コンプリートを製造しています。そのため同じTであっても製造所によって香りも製造方法も異なり成分も変わります。


国際的にTやVなどの規格が無く、全ては製造元の判断によるためブレンドされていても偽和などとは異なりすべて天然成分のみのイランイランですので問題はありません。(コンプリートもエクストラとTとUの3つのみをブレンドして作られる事があります)

※ファインタイプは上記のようにアロマや香料として最適化された精油でとても品質の高いものとなります。

※現在マダガスカルやコモロ諸島では数社の大手精油製造所がイランイラン精油の半分以上を占め、寡占化が進んでいます。
弊社のイランイラン(オリジナル)は小規模農家で昔ながらのイランイランを16時間採油して作られた精油となります。エクストラはほとんどファインタイプと香りは変わりませんが、T以降はセスキテルペン類の香りが感じられスモーキーで少し複雑な香りになります。Vはそれが顕著に現れます。


一般的な蒸留時間についての説明
イランイランエクストラは、最初の1時間の間に採油されるオイルとなります(最初の30分のみのオイルはスーパーと呼ばれることがあります)イランイランエクストラの比重は0.955-0.965

イランイランTはその後の3時間で得られます。比重は0.945-0.955

イランイランUは蒸留4時間から6時間で得られます。比重は0.932-0.940

イランイランV年生蒸留の6時間後から約10時間採油されます(全体では16時間されます)
比重0.905-0.910


イランイランの採油時間、また各種グレードの一つの目安として比重による管理がありますが絶対的なものではなく、その製造元により採油時間、比重も変わることがあります。


比重は各種グレードを見分ける目安となっていましたが、近年はイランイランVに熱を加えるとで比重が高くなることが分かり、これが偽和に使われたりなどの問題もあります。



イランイランの成分について

Vが最もセスキテルペン類が多く含まれ、Tは少なく、エクストラはより少なくなっております。

セスキテルペン類
カジネン
カリオフィレン
ゲルマクレンD
ファルネセン

オリジナルグレードのイランイランはファインタイプに比べセスキテルペン類の平均保有量が多くなります。
ゲルマクレンDは複雑で重厚なハーブのような香りがする成分となります(人によっては木のようなウッディーなの香りと感じる方もいます)
カリオフィレンも少しウッディーでハーバル調の香りで、ヘンプやよもぎなどにも含まれる成分となります。
そのためファインタイプよりオリジナルタイプはウッディで重厚なハーブ調の香りが強く感じられ、ファインの方は澄んだフローラルな甘い芳香が強くなります。つまりセスキテルペン類がそもそも少ないエクストラはファインタイプとオリジナルタイプに体感的な香りの差がより少なくなります(ただし、ファインタイプは再蒸留などによりさらに香りが調整されています)

※「ゲルマクレンDがイランイランの主成分でフローラルで甘い香りがする成分」と説明された記載をみかけることがありますが、ゲルマクレンDは甘くフローラルな香りはしません。
ゲルマクレンD、カリオフィレンの成分はエクストラが最も少なく、次にT→U→Vと保有量が高くなります(Vが最も多く含まれます)逆にリナロールなどはVなどより多くなります。
ゲルマクレンDは抗菌性や虫などを寄せ付けない効果があります(ただし一部の昆虫を引き寄せる効果があるようでしてこれが甘い香りと間違われる原因かと思います)
カリオフィレンは近年倦怠感や意欲低下を緩和したりイライラが軽減すると言われている成分となります。
カジネンはひのきなどに含まれる成分です。


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